フラーレンって美白作用のある成分じゃないの?
美白作用のある成分を育毛剤に配合して、髪が生えてくるの?
フラーレンといえば抗酸化力の強い美白成分として知られています。
それが、育毛にもいいの?と思うかもしれませんが、抗酸化力の強いフラーレンには髪を成長させる力があることがわかっています。
その仕組みについて、化粧品会社で働く研究員ハチマルが解説します。
AGAクリニックでも使う活性酸素除去成分
AGAクリニックの治療法では、AGAスキンクリニックと湘南美容外科クリニックがAGA治療にオリジナルカクテルを使用しており、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という活性酸素を除去する成分を頭皮に導入しています。
SODは体内の存在する活性酸素を除去してくれる酵素ですが、フラーレンも抗酸化力が高く、体内に発生した活性酸素を除去してくれる作用があります。
この活性酸素が髪を育てる力を阻害している可能性が高く、このジャマな活性酸素を取り除いてあげれば、止まっていた髪の成長を促してあげることができる可能性が出てきたということになります。
フラーレンの抗酸化力
抗酸化力のある美容成分として知られているビタミンC誘導体。
フラーレンはこのビタミンC誘導体のおよそ2.5倍の抗酸化力があります。
体内の存在するSODも高い抗酸化力があるので、フラーレンくらい高い抗酸化力があるなら、薄毛にも効果があるかもしれないと試験を行いました。
フラーレンの薄毛改善効果
大阪大学でフラーレン2%配合の外用ローションを塗ってもらった結果、6ヵ月後に髪の成長速度は1.16倍になったという報告があります。
この結果から、フラーレンには髪を成長させる作用があることがわかったけれど、6ヵ月使用しても1.16倍しかないということになります。
それなら育毛剤に配合するときは、他の育毛成分と同時に配合すればいいのです。
フラーレン配合育毛剤
育毛剤はここ数年で激しく進化しています。
海外の育毛成分を使用した育毛剤も販売されてるようになってきました。
フラーレン単体では「育毛作用が期待できる!」という効果はないと思います。
ただ、医薬品と化粧品である育毛剤の違いは、【成分の組み合わせは自由】であることです。
髪を生やすには、多角的なアプローチが必要なことがわかっています。
発毛効果のあるミノキシジルでさえ、5つの作用で髪を生やしているのです。
育毛剤で効果を出すには成分を複数配合して、複合的な作用で育毛するしかありません。
最近ではそういったタイプの育毛剤が増えてきているので、嬉しい限りです。
フラーレン+プロキャピル配合育毛剤
✔ オレアノール酸
オリーブの木から抽出された成分で、抜け毛の原因を作る5α-リダクターゼを阻害する働きがあります。
✔ アピゲニン
柑橘系から抽出されたフラボノイドで、血管拡張作用による血流促進効果があります。
✔ ビオチノイルトリペプチド-1
ビオチンとトリペプチド-1によってつくられる成分で、「髪を生やす細胞」の周囲を囲む、繊維芽細胞に働きかけ頭皮の土台を作る働きがあります。
まとめ
育毛評価系が確立されるにつれて、新たに再評価される成分も増えてきています。
育毛剤に使われる成分で効果のあるもの、効果のないものがデータで示されるようになってきたことは、効果のある育毛剤を選ぶための重要な要素となってきています。
このサイトでは、効果のエビデンスがあるものを紹介しています。
エビデンスが嫌い、細胞評価は信じられないという人もいるかと思いますが、細胞評価で効果のないものはヒトの身体でも効果はでません。
細胞評価の先にあるのが、「効果には個人差があります。」ということになります。
シャンプーを変えても、頭皮マッサージをしても抜け毛は減りません。
こういったものはあくまでも補助的なものとして使うようにしましょう。
体験談も1ヵ月ごとに違う育毛剤を使用したのでは、どれが効果があったのか全くわからない状態になっています。
育毛剤や発毛剤は3ヵ月~6ヶ月後使って、やっと効果がでるものです。
育毛剤や発毛剤の評価はエビデンスに頼るしかないのが現状ですよ。