AGA治療ってまず内服薬を薦められるけど、内服薬に効果はあるのかな?
プロペシアとザガーロってよく聞くけど、何が違うの?
プロペシアとザガーロは商品名で、
成分名は
・プロペシア:フィナステリド
・ザガーロ:デュタステリド
になります。
プロペシアとザガーロの使用頻度が高いのでよく聞く商品名ですが、成分名がフィナステリドとデュタステリドであればジェネリック医薬品になります。
男性型脱毛症の要因は男性ホルモンのジヒドロテストステロンです。
このジヒドロテストステロンを抑制するのがAGA内服薬の作用。
プロペシアとザガーロはジヒドロテストステロンを抑えてくれるので、AGA治療の初めの一歩は内服薬から始まります。
ハゲの需要と供給
ハゲてても人気のある人はいます。
アニメのキャラなら
・シティハンターの海坊主
・銀魂の星海坊主
映画なら
・ダイハードのジャックバウアー(ブルースウィリス)
ハゲでも人気のある人は、とにかく強いイメージないですか?
この超人的な強さという魅力が、ハゲてるというマイナスをはるかに上回っているからこその人気といえます。
なぜハゲてるとモテないのか。その理由は2つあります。
・不健康そうに見える
・貧弱そうに見える
メラビアンの法則でも心理学的に人が第一印象として最も影響を受けやすいの視覚からという研究データもあるくらい、始めの印象は見た目が大切になってきます。
だからこそ、男性はそうやすやすとハゲるわけにはいかないのです。
なぜ人はハゲるのか
それではハゲる原因とはいったい何なのでしょうか?
ハゲるときは、ハゲる。
ハゲる原因【栄養不足】
頭皮に栄養が行かないということは、ハゲる一要因ではあります。
ただ、髪がないことと体調が悪くなることとどちらが先?と考えると
命を守るためには、先に体調が悪くなる、というのが普通の現象ではないでしょうか。
体調は悪くないのに、栄養不足だけが原因でハゲることはないといえます。
ではなぜ、人はハゲるのでしょう。
特に男性の場合、男性ホルモンの影響が大きいといえます。
日本人の3人に1人はハゲるというデータもあるくらいです。
ハゲる原因【ジヒドロテストステロン】
男性がハゲる原因は男性ホルモンが大きな原因のひとつになります。
ハゲる原因はジヒドロテストステロンという男性ホルモン。
これが頭皮に悪影響を与え、発毛を阻害してしまいます。
AGA治療における内服薬の作用は、テストステロンからジヒドロテストステロンに変換する役目をもつ5α還元酵素(5αリダクターゼ)を阻害することにあります。
5α還元酵素(5αリダクターゼ)阻害剤のプロペシアとザガーロの違い
AGA治療に使用されるプロペシアとザガーロの違いは何なのでしょう?
DHT阻害薬の種類と特徴
製品名
プロペシア
フィナステリド
ザガーロ
デュタステリド
阻害DHT
Ⅱ型
Ⅰ型・Ⅱ型
用量
0.2mg
1mg
0.1mg
0.5mg
承認国
60か国以上
韓国・日本
力価
1mg =
0.1mg
毛量増加数
1mg <
0.5mg
血中半減期
3~4時間程度 <
3~4週間程度
副作用
1mg ≦
0.5mg ※有意差なし
価格(推定)
1mg <
0.5mg
プロペシアとザガーロの特徴と差は次の4つになります。
プロペシアとザガーロ阻害するDHT型の違い
プロペシアとザガーロの違いは阻害するDHT(5αリダクターゼ)の違いにあります。
・プロペシアはⅡ型のみ阻害
・ザガーロはⅠ型・Ⅱ型の阻害
AGAにはⅠ型もⅡ型も関与はしているが、頭皮の毛髪に大きく影響しているのはⅡ型のDHT(5αリダクターゼ)。
そのことから考えるとザガーロの方が効果あるけど、プロペシアでも十分な効果が得られると判断できます。
プロペシアとザガーロの安全性の違い
プロペシアとザガーロの安全性を比較してみましょう。
プロペシアの方がAGA治療薬としての使用歴は長いのです。
そのため、効果・安全性の2つにおいて多くのデータが集まっている状態です。
ザガーロは2016年からAGA治療薬としての使用が始まっています。
そのため効果・安全性の2つにおいて情報が少ないのが現状です。
プロペシアは承認されて治療に使われている世界60ヵ国から情報が集めらます。
一方、ザガーロが治療に用いられている国は、韓国と日本のわずか2ヶ国。
この情報量の違いがザガーロが十分な安全性に確証が持てないといわれる理由になります。
フィナステリドとデュタステリドの効果の違い
効果についてはザガーロの方が3倍高いといわれていますが・・・。
その判断、ちょっと待って。
用量をみると
・プロペシア:1mg
・ザガーロ:0.5mg
これが処方される最大量になります。
用量はプロペシアが2倍。
薬の効果とは、用量が多ければよく効く、早く効くという訳ではありません。
適量を使用しなければ、余分な薬は体外に排出されるだけ。
プロペシアは1mg、ザガーロは0.5mgが効果のでる適量ということになります。
副作用のリスクばかりが大きくなってしまいます。
ザガーロの方が効果が高いというのは、同じ用量を服用した場合の比較であって、
プロペシア1mgを服用した場合とザガーロ0.5mgを服用した場合のデータはザガーロの方が効果が高いといえるだけのデータが取れていないというのが現状です。
現時点では、ザガーロの方が効果はあるけど、治療を受けている本人が自覚できない程度の差しかないというところが現状です。
これからデータが増えてくれば、ザガーロが第一選択薬に可能性はありますが、副作用のことを考慮して、第一選択薬としてプロペシアを皮膚科学会では推奨をしています。
プロペシアとザガーロの副作用の違い
プロペシアとザガーロ共に男性機能の低下が副作用として起こることがあります。
ザガーロの方が約10倍の男性機能不全の副作用が認められています。
プロペシアとザガーロの血中半減期の違い
血中半減期とは薬成分の血中濃度が半減するまでの時間のことを指します。
半減期が長ければそれだけ薬の効き目長く続くということです。
ですが、副作用の点から考えればそれだけ長い間副作用も続く可能性があるということになります。
血中半減期に関してはプロペシアの3~4時間に比べザガーロは3~4週間と長くなります。
毎日服用する薬であるなら、それほど長い効き目が必要になることはありません。
ザガーロを服用していた場合、他の内服薬に変更するときには6ヵ月の休止期間を置かなければなりませんし、献血も6ヶ月は禁止されています。
これだけ体内に長くとどまると、やはり副作用がどの程度影響を及ぼすのか気になります。
フィナステリドとデュタステリドの価格の違い
価格はプロペシアの方が安価なことが多いです。
プロペシアの使用量が多いので、入手しやすく安価に使用できるところがメリットになります。
年齢によるプロペシアとザガーロの使い分け
20~30代にはプロペシアを第一選択薬として使用することが多いようです。
40代以降は発毛しにくくなるので、ザガーロの使用も考慮していく傾向があります。
薄毛は進行するのです。
男性型脱毛症(AGA)はノーウッド・ハミルトン法で薄毛の進行状態を評価するのですが、
20代でAGAを発症した人が何の対策もしなかった場合:5年後1段階進行する
20代でAGAを発症した人がプロペシアで抜け毛予防をした場合:5年後1段階改善する
その差3段階と考えるとちょっと大きな差かなと思えるのですがどうでしょうか。
出典:アンファー
まとめ
プロペシアとザガーロは使用歴の差でザガーロの方が圧倒的にデータが少ないこともありますが、現時点では発毛するという点では大きな差があるというデータはありません。
副作用の少なさ、価格の安さからいえばプロペシアを使用するのが治療しやすいということがいえるでしょう。
AGA治療薬は6ヶ月~1年くらい続ける薬で本来即効性を期待するものではありません。
多少の即効性があっても、「髪が生えてきたた薬の服用をやめよう」といってやめてしまうと、また抜け毛が増えて薄毛が進行してしまいます。
長く続けられるといった点からもプロペシアが第一選択薬として使用される理由になります。
参考資料
毛髪・ガイドライン2017を踏まえた治療update
フィナステリド インタビューフォーム
デュタステリド インタビューフォーム