AGAになる原因って男性ホルモンの影響だけじゃないの?
PGD2ブロッカーって何だ?
AGAになる4大原因とは
遺伝的要因
遺伝的要因ももちろんありますが、この要因は排除できない事、日本人の3人1人はハゲるというデータから考えると、「しょうがないことだ。」とあきらめる他はありません。
男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)
毛乳頭細胞がジヒドロテストステロンに攻撃されることで、細胞にダメージを受けてしまいます。
ダメージを受けた毛乳頭細胞は細胞を増やす事も出来なくなり、やがて髪を生やす力もなくなることで、脱毛した後に新しい髪が生えてこなくなります。
ジヒドロテストステロンの攻撃から毛乳頭細胞を守ってくれるのが、プロぺシアやザガーロなのです。
毛包の縮小化
生物は常に進化と退化をくり返しています。
毛乳頭細胞が髪を作れなくなると、髪を作るために連動して働いていた毛包が縮小していきます。
「髪が生えないなら、もういらないよね。」と認識され退化していくのです。
毛包が縮小化し退化しきってしまった頭皮からは、髪は生えてこなくなります。
そうなると、髪を手に入れる方法は植毛しかなくなってしまいます。
成長因子阻害するPGD2(プロスタグランジンD2)
薄毛治療の研究史上画期的な発見といわれているのが、PGD2の存在です。
ペンシルベニア大学のジョージ・コトサレリス氏の研究チームが、薄毛治療に欠かせない成長因子を阻害する物質があることを発見したのです。
成長因子は髪を生やすために必要な物質です。
頭皮の機能が正常に働いているのであれば、体内で作られた成長因子が毛包に働きかけ、髪は生え続けます。
でも、何かの機能障害でこの成長因子が効かなくなります。
そのため、AGAクリニックでの治療で「成長因子を導入」する治療が行われるのです。
毛包が縮小化し始めている状態であれば、この治療はかなり効果のあるものです。
ただ、頭皮に導入する必要があるため、医師や機器の力が必要になってきます。
✔ 注射
医師の手で注入していくので、医師の腕も必要となります。
もちろん麻酔もしてくれますが、頭皮は非常に薄いのでやはり多少の傷みはあるようです。
✔ 高額な医療機器を使用する
ミノキジェットや音響装置は医療機器であるため高額になります。
成長因子そのものも、高額であり保存も効きにくいことから、どうしても成長因子導入治療は高額になってしまいます。
その救世主となりそうなのが、このPGD2の発見になります。
PGD2(プロスタグランジン)とはどんな物質?
PGD2とは体内で作られる物質です。
出典:日本緩和医療会
PG(プロスタグランジン)にはいろいろな種類があり、体内でそれぞれの役割を果たしています。
アラキドン酸から作られる、PGは4種類。
そのなかのPGD2(プロスタグランジンD2)は、血小板凝集抑制や中枢作用などの働きを担っていることはわかっていました。
ところが、男性の脱毛している部位と脱毛していない部位を徹底的に比較したところ、この脱毛している部位ではPGD2を多く作られていることがわかったのです。
そして、このPGD2が髪の成長を抑制することを発見したのです。
ただ、治療に応用するにはまだ難しい問題があります。
このPGには髪に悪い影響を与えるものと(PGD2)、良い影響を与えるもの(PGF2)があることもわかっています。
PGF2は通常より長いまつげが生えている部位で多く作られていることから、毛髪の成長を促す作用があると考えられています。
出典:日本緩和医療会
同じ経路で作られるPGに天使と悪魔が存在していることになります。
天使:PGF2(プロスタグランジンF2)
悪魔:PGD2(プロスタグランジンD2)
現在ではPGD2の細胞レセプターをブロックするような薬について研究が進んでいます。
この研究の何が「薄毛の研究史上画期的」だったかというと、これまで高額な治療であった成長因子を導入して発毛するという方法が、内服薬や外用薬によって治療できる可能性が出てきたということです。
成長因子を阻害するPGD2を抑える治療薬ができれば、大掛かりな成長因子導入治療を受けなくても薄毛が改善できるかもしれないのです。
市場に出回るまでには、まだ少し時間がかかりそうですが、特効薬となりうる治療法として確立される可能性は高いので、今後の薄毛治療に期待が持てそうです。