育毛と発毛、ボクに必要なのはどっちだ?
育毛と発毛の違いとAGA治療の方法の選び方について説明します。
AGAの治療法は4つある
・育毛剤
・発毛剤
・内服薬(飲み薬)
・AGA診療(専門医での治療)
✔ 育毛剤
育毛剤の種類は2つ。医薬部外品と化粧品に分類される。
医薬部外品と化粧品では表示できる効能効果が違います。
✔ 発毛剤
市販薬(OTC)になります。
法律上決まった効能効果が表示できます。
✔ 飲み薬
処方薬(病院で処方してもらう)と市販薬(OTC)があります。
こちらは後ほど解説します。
✔ AGA診療
処方薬は医師の診断がないと購入できないので、処方薬で治療したい人は専門医で診断を受けて下さい。
薬以外の治療法もあります。
こちらは後ほど解説します。
育毛剤と発毛剤の違い
育毛剤 | 発毛剤 | |
法律上の分類 | 医薬部外品・化粧品 | 市販薬(OTC) |
効果の表示 | 抜け毛の予防 | 薄毛の治療 |
ターゲット | 髪が細くやせてきた人
ヘアサイクルの乱れによって一時的に薄毛に見える人 頭皮環境の悪化によって薄毛になった人 |
AGAの人
(男性型脱毛症・壮年性脱毛症) |
使用方法(使用回数・使用量) |
決まっていない 推奨される使用方法はある |
決まっている 使用量も決まっている |
有効成分 |
医薬部外品:有り 化粧品:なし |
医薬品:有り |
有効成分の配合量 |
決まっていないものが多い 一部配合量の上限値が決まっているものもある |
決まっている |
効能効果の表示 |
医薬部外品:できる 化粧品:できない |
できる ただし、法律上決まった表現しかできない |
育毛剤と発毛剤は法律上の分類による違いです。法律上、表示できる効能効果が変わってきます。
化粧品だから効かない、医薬品だから効くということではありません。
例えば「美白」であれば化粧品の方が優秀な商品が多いです。副作用も少なく、効果も高い。
例えば「ニキビ」であれば、医薬品の方が優秀な商品が多いです。ニキビは皮膚の炎症の症状のひとつと考えれば、炎症を抑える効果は医薬品の方が高いです。
AGA治療は需要が伸びてきたため、医師の診療・化粧品の参入が増加し選択肢も増えました。
以前は「ミノキシジル」しかないよねといった状況がなくなり、その人個人にあった方法を選べるようになってきています。
育毛剤(医薬部外品・化粧品)でも、化粧品でいう美白剤クラスに優秀なものも出てきています。
選択肢が増えれば、それだけAGAが改善される可能性が高くなるということなんですよ。
育毛剤の医薬部外品と化粧品の違い
育毛剤(医薬部外品) | 養毛剤(化粧品) | |
法律上の分類 | 医薬部外品 | 化粧品 |
効果の表示 | 医薬部外品・薬用と表示できる
育毛、脱毛予防、発毛促進、フケ・かゆみを抑える |
毛髪と頭皮を健やかに保つ
フケ・かゆみを抑え、不足しがちな水分・油分などを補って、毛髪と頭皮の健康を保ちます。 |
ターゲット |
頭皮のトラブルで脱毛している人 ヘアサイクルの乱れが原因で脱毛してしまった人 ホルモンバランスの乱れで脱毛してしまった人 |
|
使用方法・使用量 |
決まっていない 使用方法の推奨はある |
|
有効成分 |
効能効果が表示できる成分を配合している。 配合量は決まっていないものが多い 一部、配合量の上限が決まっているものもある |
配合量は決まっていないものが多い 一部、副作用の点から上限が決まっているものもある |
✔ 医薬部外品
育毛、脱毛予防、発毛促進、薬用といった効果の表示ができます。
✔ 化粧品
毛髪と頭皮を健やかに保つといった、頭皮環境を整えるような表現しかされていません。
薬用といった表示がされていると何だか効果がありそうですよね。
これは法律上の分類だけで効果が表示できるかできないかといった違いにもなります。
AGAに関しては効果を示すだけのものじゃなこともあるのでよく考えて選んでくださいね。
発毛剤
発毛効果が表示できるのは医薬品だけです。
表示できる効能効果は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防」ですが、【ミノキシジル】については発毛効果の臨床試験のデータがあるので、発毛を効果として表示することができます。
発毛剤については臨床試験データがあるので、効果が実証されているわけです。
ただし、医薬品すべてにいえることですが「100%効果がある」わけではないです。
だから「効果がでなかった人」がいるのも事実。AGA治療は最近(研究としては)加熱してきた分野なので、発毛剤で効果がなかった人への有効な手段が増えてくることでしょう。
内服薬(飲み薬)
ハツモール | フィナステリド
(プロぺシア) |
デュタステリド
(ザガーロ) |
|
法律上の分類 |
第2類医薬品 (市販薬) |
医療用医薬品
(処方薬) |
医療用医薬品
(処方薬) |
効能効果 | 粃糠性脱毛症,円形脱毛症 | 5α-還元型酵素2型阻害薬・男性型脱毛症薬 | 5α―還元型酵素1型/2型阻害薬・男性型脱毛症薬 |
副作用 | 皮膚:発赤,発疹,かゆみ 消化器系:悪心,嘔吐,下痢,腹痛 |
男性機能の低下 | 男性機能の低下 |
購入方法 |
・ドラッグストア ・ネット |
医師の診断が必要 | 医師の診断が必要 |
✔ ハツモール(第2類医薬品)
ハツモールの効能効果は粃糠性脱毛症、円形脱毛症(に効果がある)となっています。
脱毛症にも種類があります。
・粃糠性脱毛症
・円形脱毛症
✔ 粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)
粃糠性脱毛症とは頭全体に細かい灰白色のフケが発生して毛髪が薄くなる病気です。皮脂の分泌により頭皮に炎症を起こすことによる脱毛。
いわゆる頭皮環境の悪化による一時的な脱毛ということです。頭皮に炎症を起こしている場合には、皮膚炎を治療してしてからじゃないと発毛効果は期待しにくいので、まずは皮膚科で治療を行うのが最善策でしょう。
✔ 円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)
円形脱毛症とは、脱毛が円形や楕円形の形で発症します。一般的には10円玉くらいの脱毛が多いので「10円ハゲ」といったりしますね。症状がひどくなると頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛なども脱毛する場合もあります。特徴は突然発症します。
脱毛症には種類があって、症状や原因は多岐に渡ります。
ハツモールはAGA(男性型脱毛症)治療には向かないということになります。
AGAには向いていないんだ。効能効果はちゃんとみないとな。
医薬品は用法容量をよく読んで、さらには効能効果をよく読んで正しくお使いください。ピンポーン♪
✔ フィナステリド(医療用医薬品)【プロペシア】
フィナステリドは医師の診断によって処方される医薬品です。効能効果は男性ホルモンの抑制になるので、AGA治療としては向いています。しかし、男性ホルモンを抑制するので副作用として男性機能の低下がみられる場合があります。
ちょっと、困るな・・・
AGA治療には他にも選択肢があるので、AGA診療を行っている医師に別の方法はないか、その治療方法は自分にあっているのかということを相談してください。
✔ デュタステリド(医療用医薬品)【ザガーロ】
デュタステリドは医師の診断によって処方される医薬品です。効能効果は男性ホルモンの抑制になるので、AGA治療としては向いています。しかし、男性ホルモンを抑制するので副作用として男性機能の低下がみられる場合があります。
デュタステリドもか・・・
デュタステリドもフィナステリドと同様にちょっと困るなという人はAGA診療を行っている医師に別の方法はないか、その治療方法は自分にあっているのかということを相談してみてください。
AGA治療は男性ホルモンの抑制が効果的な治療方法になります。
デュタステリドは「男性型および女性型脱毛ガイドライン2017年版」に加えられた成分です。
フィナステリドとデュタステリドの2つの選択肢ができたということはAGA治療において活気的なことなんです。フィナスナリドの効果がみられない人にはデュタステリドを、デュタステリドの効果がみられない人にはフィナステリドをといった選択肢が増えるからです。
医薬品といえど100%の効果は見込めません。選択肢が増えることで、治療の効果がでる人が増えることは確実なことなんです。
AGA診療(専門医での治療)
フィナステリドとデュタステリドを処方してもらうにもAGA診療が必要になります。
超狭帯域赤色LEDという選択肢
超狭帯域赤色LEDといった薬剤以外の治療方法も選択肢のひとつになりました。
超狭帯域赤色LEDは赤色の決まった波長を頭皮にあてると、毛母細胞が刺激され活性化されることを利用したAGAの治療方法です。
植物に赤色LEDを照射すると、植物の成長が促されるといったことにも利用されています。
レタスは赤い光でよく育つって、ほんと?(キャノンサイエンスラボキッズ)
赤色LEDの効果は植物だけでなく、人の毛母細胞にも有効だったということです。
じゃあ、頭皮の日光浴をしたら?
確かにそういう意見もあると思いますが、日光浴だと脱毛した特定の部分だけに照射することが難しく、特定の光の波長だけ照射することも難しいですよね。
日光には紫外線も含まれてますし、毛母細胞への効果より弊害の方が大きいですよね。内容を入力してください。
超狭帯域赤色LEDは薬剤を使用した治療より副作用がありません。AGA診療としての選択肢としては、外用剤(ミノキシジル)、内服薬(フィナステリドまたはデュタステリド)、超狭帯域赤色LEDの複合的な治療方法が増えてきそうですね。
AGA治療の未来
AGA治療の選択肢として、成長因子導入および細胞移植療法があります。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」にも選択肢のひとつとして収載されています。でもこの方法はまだ一般的ではないのです。身体への負担を考えるとまずは内服薬(フィナステリドとデュタステリド)と外用薬(ミノキシジル)の併用が推奨されるということになります。
まとめ
AGA治療の本格的な治療は始まったばかりです。これから化粧品や医薬品、機器での治療法もより効果の高いものに変わっていくことでしょう。
個人的には市販されているもので効果があると言い切れるのは「ミノキシジル一択」と思っていたのですが、化粧品成分の「キャピキシル」には発毛効果が期待できるのではと思っています。
超狭帯域赤色LEDについても、つい最近「赤色波長が野菜の成長を促進する」ときいたのだがAGA治療にも有効とは応用を効かせるのが早いなと思った治療法です。
AGA治療の選択肢は2つあります。
・自分で情報を集めながら、市販品を購入して治療していく
・AGA診療を受ける
選択の基準は自分の意思決定によるものです。どちらが良い結果を生むかということは言い切れないのが現状です。
ただひとつだけ言える事は、AGA診療(病院での治療)を受ける場合、心配なこと、わからないことは医師に相談してください。あなたの相談をちゃんときいてくれ、説明してくれる医師でない場合、別の病院を探すことをおすすめします。
そのとき、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版のClinical Questionのまとめ(表1)」が役に立つと思います。この内容について説明できない医師がAGA専門医と名乗るべきではないとも思っています。
※「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」の内容をあなたが納得できる説明をしたうえで、さらに良い方法を提案してくれる医師もいます。基準は納得いく説明を受けられたかどうかです。
あなたにとって最適なAGA治療が受けられることを、治療の選択肢がひとつでも多くなることを期待して記事を書いています。